第54回理学療法士国家試験AM71
問題
膝蓋骨で正しいのはどれか。
1.関節面は外側面に比べて内側面で広い
2.膝関節屈曲位で可動性が高くなる
3.膝関節伸筋の作用効率を高めている
4.膝関節の屈曲に伴い上方に引かれる
5.膝関節の伸展に伴い接触面は上方に移動する
解答:3
解説
1.膝蓋骨の関節面は外側のほうが広くなっている。
2.膝蓋骨の可動性は膝関節伸展位のほうが高い。
3.膝蓋骨は膝伸展筋(大腿四頭筋)の作用効率を高めている。
4.膝蓋骨は膝屈曲で下方へ移動する(膝屈曲では伸展筋である大腿四頭筋が緩むため)。
5.膝蓋骨の接触面は伸展に伴って下方へ移動する。
膝蓋骨の移動について
膝蓋骨には上部は大腿四頭筋腱、下部は膝蓋腱が付着しており、大腿四頭筋の働きによって上下に移動する。大腿骨と関節を形成しているが、浮遊骨と認識しても問題はない。ここからは膝の運動とそれに伴う膝蓋骨の移動について紹介する。
膝伸展に伴う膝蓋骨の移動
膝関節が伸展するためには、大腿四頭筋の十分な収縮が必要になる。大腿四頭筋は下前腸骨棘(骨盤)から起始している筋肉であるため、収縮すると上方向へ引き上げる力を発揮する。つまり、膝関節が伸展すると大腿四頭筋腱が付着している膝蓋骨は上方へ牽引されるということになる。
上方向へ引かれるということは、大腿骨と接触している場所は下がることになる。問題文からすぐに理解するのは難しいかもしれないが、落ち着いて考えればそこまで難解な内容ではないはずだ。

国家試験で問われる!
- 膝伸展:膝蓋骨は上へ移動、大腿骨との接触面は下へ移動。
膝屈曲に伴う膝蓋骨の移動
膝関節が屈曲するためにはハムストリングスの収縮が必要であるが、ハムストリングスは膝蓋骨に付着していないので大きな関与はない。拮抗筋である大腿四頭筋は膝屈曲位で緩む(=収縮が入らない)ので、膝蓋骨には上方向の牽引力がかからない。つまり、下方へ移動するということである。
また、膝蓋骨が下方へ移動すれば、大腿骨との接触面は上方へと偏位していく。

国家試験で問われる!
- 膝屈曲:膝蓋骨は下へ移動、大腿骨との接触面は上へ移動。
膝蓋骨の作用について
膝蓋骨は大腿四頭筋の力を発揮しやすくする作用を有している。大腿四頭筋は膝関節を伸展させる機能を担っており、膝蓋骨・膝蓋腱を通じて脛骨粗面まで付着している。単純に脛骨まで伸びているだけでは大腿四頭筋の力を効率よく発揮することはできないが、膝蓋骨がてこの支点となることで、その作用を高めている。ちなみに、膝関節は第1のてこである。

国家試験で問われる!
- 膝蓋骨は大腿四頭筋の作用効率を高めている。
膝関節に関する他の問題・記事
膝関節に関する他の問題や記事も併せて解いておくと理解が深まるはずだ。特に解剖学はしっかりと定着させておくと応用ができるため便利である。大腿骨に関する記事も掲載しているので、まとめて覚えたい。
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