第52回理学療法士国家試験AM52
問題
手根骨を図に示す。
矢印の部位はどれか。
1. 有鉤骨
2. 有頭骨
3. 舟状骨
4. 小菱形骨
5. 大菱形骨
解答:4
解説
手根骨の名称を答える問題である。1~5は以下のようになっている。
各手根骨については過去の国家試験においても多数の出題がある。中でも学生が勘違いして覚えやすいのが、「視点が掌側からor背側から」という点である。配列自体は完璧になっている事が多いのだが、掌側から見た場合なのか・背側から見た場合なのかという根本的な部分を間違っているケースが多い。
上記の図は左手を背側から見た図である。掌側から見ると豆状骨が見えないため、基本的には背側からの図が出題される傾向にある。
手根骨の配列について
人間の手根骨は以下のようになっている。前述している通り、掌側から手根骨を見ると豆状骨が見えないため、図で出題される場合は背側からであるケースが大半を占める。
手根骨は「豆状骨・三角骨・月状骨・舟状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鉤骨」の8つの骨の総称である。足根骨は「踵骨・距骨・舟状骨・立方骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨」の7つからなるが、舟状骨に関しては手根骨と足根骨の両方に存在している。
国家試験で問われる!
- 手根骨は豆状骨・三角骨・月状骨・舟状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鉤骨の8つ
- 足根骨は踵骨・距骨・舟状骨・立方骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨の7つ
- 舟状骨は手根骨・足根骨の両方に存在する
- 手根骨の画像問題は基本的に背側から見ている
手根骨の覚え方について
この手の問題に関しては単純な暗記問題なので、知っていれば数秒で解くことができ、知らなければ絶対に解くことはできない。まずは8つの手根骨の覚え方について紹介する。
ゴロで覚えるのが比較的簡単であり、多くの学生・理学療法士が使っているものに「父さん月収大小あるが有効に使おう」というものがある。小指側から回るように唱えているため、順番も迷うことは無いはずだ。内容は以下のとおりである。
手根骨を覚えるためのゴロを紹介!
父さん→豆状骨・三角骨
月収→月状骨・舟状骨
大小→大菱形骨・小菱形骨
有→有頭骨
効→有鉤骨
ちなみに、従来用いられていた「父さん月収大小ありあり」というゴロについては、有鉤骨か有頭骨かが判別できないため、推奨していない。
類似問題に挑戦!
第50回理学療法士国家試験PM52
解答:5
解説
1.橈骨は三角骨・月状骨・舟状骨と接している
2.三角骨は豆状骨・月状骨・有鉤骨と接している
3.有鉤骨は三角骨・月状骨・有頭骨を接している
4.有頭骨は月状骨・舟状骨・小菱形骨・有鉤骨と接している
5.小菱形骨は舟状骨・有頭骨と接している
第48回理学療法士国家試験AM52
問題
有頭骨と接していないのはどれか。
1. 舟状骨
2. 月状骨
3. 有鉤骨
4. 豆状骨
5. 小菱形骨
解答:4
解説
1.舟状骨は月状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨と接している
2.月状骨は三角骨・月状骨・有頭骨・有鉤骨と接している
3.有鉤骨は三角骨・月状骨・有頭骨を接している
4.豆状骨は三角骨と接している
5.小菱形骨は舟状骨・有頭骨と接している
第47回理学療法士国家試験PM51
問題
月状骨と接していないのはどれか。
1. 橈骨
2. 舟状骨
3. 有頭骨
4. 三角骨
5. 大菱形骨
解答:5
解説
1.橈骨は三角骨・月状骨・舟状骨と接している
2.舟状骨は月状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨と接している
3.有頭骨は月状骨・舟状骨・小菱形骨・有鉤骨と接している
4.三角骨は豆状骨・月状骨・有鉤骨と接している
5.大菱形骨は舟状骨と接している
手根骨同士の接触関係
理学療法士国家試験では、「○○と接していないのはどれか」という問題が多く出題されている。この「接している・いない問題」は手根骨がテーマになっている事が多く(他には内臓器など)、ここからは手根骨同士の接触関係について紹介していく。簡単な略式図を用いて覚える事ができるので、ぜひマスターして1点を獲得したい。
結論から紹介すると、以下の図を用いることにより2022年春までに出題されている手根骨の「接している・接していない問題」はすべて正答することができる。
次に、上図の書き方について紹介していく。
step
1正方形を2つ横並びに描く
ある程度の大きさの正方形を2つ描く。後から内側に書き込むので、1辺5cmくらいは確保しておくのがおすすめ。
step
2左の正方形の左下に2つの四角形を書き込む
左側の四角形の左下に、2つの四角形を書き込む。2つのうち片方は、更に左下へ内包されるように描くのがポイント。
step
3左の四角形の右上に四角形を書き込む。
左側の四角形の右上に四角形を書き込む。左下の四角形とは接しないようにする。
step
42つの四角形をつなぐように線を引く
書き込んだ2つの四角形の頂点を結ぶように斜めに線を引く。
step
5右側の四角形の上に左右対称な斜め線を引く
最後に右側の四角形の上部に左右対称な斜め線を2本引く。
この時、左側の四角形よりも下へ行かないように注意する(小菱形骨は月状骨と接していないということ)→この問題で問われています!
step
6前述したゴロで骨名を書き込む
最後にゴロを使って各手根骨の名称を書き込めば略式図が完成する。
この方法をマスターしたうえで、再度類似問題に挑戦してみよう!