第53回理学療法士国家試験AM71
解答:2
解説
肩甲帯の運動を理解する
肩甲帯の運動とは、わかりやすく言い換えると「肩甲骨の動き」である。四肢を中心に考えると、関節が大きく動くイメージがあるかもしれないが、肩甲帯の動きに関してはそこまで大きな動きは起こらない。
しかしながら、肩甲帯の運動は肩関節疾患をみる上でとても重要な指標になるほか、国家試験にも頻出している。そのため、確実に回答できるように準備しておこう。
まずは、肩甲帯の運動の種類について紹介していく。
肩甲帯の挙上
挙上では主に上内側方向へと肩甲骨が移動する。
作用する主な筋は、僧帽筋(上部)・菱形筋・肩甲挙筋である。
肩甲帯の下制
下制では主に下内側方向へと肩甲骨が移動する。
作用する主な筋は、僧帽筋(下部)・小胸筋・鎖骨下筋・広背筋である。
肩甲帯の内転
内転では主に内側方向へと肩甲骨が移動する。
作用する主な筋は、僧帽筋(中部)・菱形筋・肩甲挙筋である。
肩甲帯の外転
外転では主に外側方向へと肩甲骨が移動する。
作用する主な筋は、前鋸筋・小胸筋・大胸筋である。
肩甲帯の上方回旋
上方回旋では主に上外側方向へと肩甲骨が回旋する。
作用する主な筋は、僧帽筋(上部)・僧帽筋(下部)・前鋸筋である。
肩甲帯の下方回旋
下方回旋では主に下内側方向へと肩甲骨が回旋する。
作用する主な筋は、小胸筋・菱形筋・肩甲挙筋である。
肩甲帯の運動に作用する筋肉
肩甲帯の運動に作用する筋は主に肩甲骨に付着している。
棘上筋・小円筋などの腱板は肩甲帯の運動に関与することは少なく、僧帽筋・菱形筋・前鋸筋・鎖骨下筋が主に肩甲帯の運動に作用している。
以下には、補助動作筋も含めた肩甲帯の運動に関与する菌の一覧を記載する。
肩甲帯の挙上に作用する筋
主動筋(prime mover):僧帽筋(上部)・肩甲挙筋・(大小)菱形筋
補助動筋(assistant mover):-
肩甲帯の下制に作用する筋
主動筋(prime mover):鎖骨下筋・小胸筋・僧帽筋(下部)
補助動筋(assistant mover):-
肩甲帯の内転に作用する筋
主動筋(prime mover):僧帽筋(中部)・(大小)菱形筋
補助動筋(assistant mover):僧帽筋(上部)・僧帽筋(下部)
肩甲帯の外転に作用する筋
主動筋(prime mover):小胸筋・前鋸筋
補助動筋(assistant mover):-
肩甲帯の上方回旋に作用する筋
主動筋(prime mover):前鋸筋・僧帽筋(上部)・僧帽筋(下部)
補助動筋(assistant mover):-
肩甲帯の下方回旋に作用する筋
主動筋(prime mover):小胸筋・(大小)菱形筋
補助動筋(assistant mover):肩甲挙筋
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第50回理学療法士国家試験PM71
問題
解答:1
解説
1.前鋸筋は肩甲骨の上方回旋に作用する。
2.小胸筋は肩甲骨の下制・外転に作用する。
3.広背筋は肩甲骨の下制に作用する。肩関節では伸展・内転・内旋に作用する。
4.大菱形筋は肩甲骨の内転に作用する。
5.肩甲挙筋は肩甲骨の挙上に作用する。補助動作筋としては下方回旋にも作用する。
第48回理学療法士国家試験PM74
問題
解答:4
解説
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